個人事業主が増え続けている昨今、自分の店を開業したいと考えている人も数多くいるでしょう。特に飲食店は人気があり、資金さえあれば誰でも簡単に始められるという大きなメリットがあります。しかしながらライバル店が多く、長続きしない店が多いのも現状です。
今回の記事では飲食店を長く経営するためのポイントや開業までのスムーズな手順、融資を受けるにあたって押さえておきたいポイントなどを詳しく紹介します。

◆店舗のコンセプトは5W1Hで考える

飲食店を開業しようとしている方の中には、カレーが好きだからとかコーヒーが好きだからなど単純な理由で始めようとしている方が多いかもしれません。しかし自分が経営するのであれば、好みのグルメを食べ歩きしているのとは大きく話が違ってきます。なぜならば飲食業界はライバルが多いため、その中で生き残っていくためには相当の覚悟と根気が必要であるからです。そのために飲食店を開業するのであれば、まずはじめに店舗のコンセプトをしっかりと作成しなければなりません。この店舗のコンセプトを決めるという作業はとても重要であり、開業する6ヶ月前くらいから取り組むのが望ましいでしょう。
店舗のコンセプトを決めるということは、イコールどのような飲食店にしていくかということです。そしてこのコンセプトを決めていく際には、できるだけ細かい部分までイメージし落とし込んで行かなければなりません。なぜならば店舗のコンセプトが曖昧であると出店する際に必要な開業資金の金額や収益の見通し、もしくは出店するべき地域など今後のスケジュールが立てづらくなってしまうからです。そのためにも多少手間はかかっても、店舗のコンセプト作成には十分に時間をかける必要があります。
店舗のコンセプトを考える際には、5W1Hを意識してみるのが良いでしょう。5W1Hとは「なぜ・誰に・何を・どこで・どのように」の5Wと、「いつ」の1Hを使用したアプローチ方法です。このアプローチ方法は飲食店に限らず、様々な業界で開業するにあたってのベースとなっています。特に自分の店舗のターゲットとするべき客層、そしてその客層に見合ったニーズをしっかりと見定めておくことが重要となるでしょう。

◆情報収集に時間をかけてアイデアを練る

飲食店をスムーズに開業するためには、情報収集に時間をかけることも必要不可欠です。特にライバル店の動向をしっかりとリサーチしておくことは、飲食店を経営していく上で大きなプラスとなるでしょう。なぜならばライバル店を意識することによって、開業するべき店舗の未来像がイメージしやすくなるからです。
そのためにも他店に自分の足で出向いて、接客対応やメニューなど店舗の雰囲気を掴んでおかなければなりません。特に繁盛している店をリサーチしておくことは、経営面にも大きく役立ってくれるでしよう。また他店と開業するべき自分の店舗において、差別化できる違う部分をしっかり見極めておく必要もあります。なぜならば違いをしっかりと把握することによって、オリジナル性を見出すことが出来るからです。その他にも経営セミナーに参加したり専門家のアドバイスを受けたりと、違う面からアプローチしていくのも有効と言えるでしょう。

◆事業計画書を作成して資金調達を行う

飲食店を開業する際には、事業計画書をしっかりと作成することも重要です。事業計画書とは資金調達をスムーズに行うために必要な書類でもあるため、店舗を開業する4ヶ月前ぐらいからじっくりと着手するのが望ましいでしょう。事業計画書の主な内容として、月毎の必要経費もしくは年商や収益予測などを算出していくことが挙げられます。特に開業し始めの頃は赤字になるというリスクも十分に頭に入れておかなければならないため、前もって運転資金がどのくらいかかるかも十分に検討しておかなければなりません。
また貯金などの自己資金では賄えない開業資金においては、資金を調達する方法を考えておく必要もあります。資金を調達する方法として、一番に融資が頭に浮かぶ人も多いでしょう。ただし融資を受けるにしても、厳しい審査に通らなければなりません。そのためにも事業計画書には、客観的な根拠を踏まえた上で数字を書き込んでおくことが重要です。なお越智税務会計事務所は飲食店開業にあたっての融資などのサポートを積極的に行っているため、融資を考えている事業者は相談してみることをお勧めします。

◆物件の立地と内外装工事に取り組む

店舗のコンセプトを作成した後、必要不可欠となってくるのは物件探しです。シーズンによっては希望の物件がなかなか見つからない場合もあるため、最低でも2〜3ヶ月前から物件を探し始めるのが望ましいでしょう。物件探しにおいて手抜きをしてしまうと、開業した後で実は立地条件が悪かったなどの後悔に結びつく恐れもあるため十分な注意が必要です。
しかしながら立地条件の良い物件は、賃貸資金もそれなりに高くなかなか手がつけられないかもしれません。このような悩みを持った方におすすめなのは、居抜き物件です。居抜き物件とはその物件で以前に経営していた店舗の内装や設備などがそのままになっている物件のことであり、この物件を借りることによって開業資金を大きく節約できます。物件が決まったら内外装工事を行うために業者を見つけなければなりませんが、居抜き物件であればこのような手間もかなり省けるでしょう。
また内外装工事を行う際には、見積もりを複数の業者に依頼することも欠かしてはなりません。なぜならば複数の業者に依頼することによって比較でき、最適な業者を見つけることに繋がるからです。さらには保健所から「飲食店営業許可」をもらうためにも、店舗の図面などを作成して事前に相談する必要も出てきます。

◆メニュー開発とスタッフ教育で磨きをかける

物件探しが一段落ついた後は、いよいよメニューの開発に入ります。メニューを開発するにあたっては、事前に作成してある店舗のコンセプトや他店のリサーチ情報が大いに役立ってくれるでしょう。ターゲットとする客層のニーズに特化したメニューを考え、仕入先やどれくらい収益が見込めるかなどもしっかりと意識しておかなければなりません。また他店とは違うオリジナルメニューも、いくつか用意しておくことも重要です。
このようなメニューの開発時期は開業する1〜2か月前が望ましく、同時に人材の整備にも取り組んでおかなければなりません。開業する最低でも一か月前には人材を確保し、調理や接客など様々な面において教育しておく必要があります。またいざ開業した時にスムーズにスタッフが作業を行えるようにするため、作業マニュアルを作成しておくことも重要となってくるでしょう。さらに近年は外国人の労働者も多いため、出来る限りシンプルな手順を踏めるように環境を整備しておくことも大切です。特に開店直後は最もスタッフが辞めやすい時期とも言われていますので、スタッフにとって働きやすい環境を提供する努力も惜しまないようにすることも必要となってきます。

◆手順を踏んで理想の店舗作りを目指す

このように飲食店を開業するためには、様々な準備が必要です。そしてこの開業準備は、準備内容によって時期や期間も大きく変わってきます。
それゆえに常に高い意識を持って段取り良く準備に望むことが、何よりも大切になってくるでしょう。
また開業準備の段取りをスムーズに進めていくためにも、スケジュールを細かく建てることも忘れてはなりません。店舗のコンセプト作成から物件探し、メニューの開発からスタッフの採用まで事細かにスケジューリングすることが理想の店舗づくりの第一歩です。そして焦らず作成したスケジュール通りにコツコツと手順を踏んで準備をすること、これこそが今後長く飲食店を経営していく上での大きなポイントとなってくるでしょう。

【参考URL】

【3段落】http://ochi-kaikei.com/